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入院中の思い出話  (お誘い&退院)

 退院前日の朝、斜め向かいのフジさんが、看護師さんに、「三日三晩苦しむって言葉はあるけれど、四日四晩とは言わないもんな。痛みもピークを越えた」と言うので、おかしくて、「おっちゃん、そのガッツがあれば大丈夫」と声を掛けた。私の血液検査の結果は良好。28を超えていた炎症値が0.7まで下がっていた。翌日の退院が確定した。病院社会というものは生き物である。その流れの中で、困っている患者をケアする看護師さんの献身的な姿には感心していた。看護師さんの名前も大分覚えた中、一人々々には個性があり、確かにいやらしさを感じる人もいたが、みんな頑張っている。一週間観察してみて、よく解った。そんな中で、一人だけ気になる看護師の人がいた。何かきっかけはないものか、と考えていたら、その日の晩の夜勤で、運のいいことに私の担当がその人だった。声を掛けて、他の看護師に知られたら、看護師社会の中で、その人もやりにくかろうと、手帳に飲み会の誘い文句を書いて見せることにしてみた。退院前の晩、当たってくだければいい。機会を伺った。深夜なので、他の看護師は少ない。デイルームに行き、チャンスをうかがっていると、その人が、「どうしたんですか?眠れないんですか?」と心配して声を掛けてきてくれた。素早く手帳を見せると、「いいですけれど、私、結婚していますよ」との返事に、自分が間抜けに感じられた。その看護師さんは他言するような人ではない。結局、軽い睡眠導入剤を頂いて、寝に就いた。思い残すことはもう無い・・・退院の日、バタバタしている中、荷物をまとめ始めた。すぐに終わり、忘れ物が無いか二度確認して、入院中に着ていた甚兵衛から、外出着に着替えた。片付けで出てきた残ったティッシュをスエさんに、TVのイヤホンをアサさんに、手紙をカワさんに、ガッツポーズをフジさんに、余ったTVカードをタナさんにあげた。会計の人が伝票を持ってきたので、いよいよ退院である。部屋を出るときに皆に、「お世話になりました」と挨拶し、ナースステーションでも挨拶し、デイルームで母と落ち合って、会計を済ませて無事退院した。若いうちの入院というのも、いろいろと勉強になったな、と思いながら、シャバの空気を味わった。午前中に退院したので、午後からは紹介状を書いて下さった近所の先生の所に菓子折を持って報告に行く。久々の帰宅の印象は、旅から帰ってきたときの様に、家の雰囲気に違和感を感じた。弥吉君とも一週間ぶりだったが、迎えてくれた。しかし、私が思ったのは、外に出なければ男は駄目になる、という感覚。短い入院生活だったが、得たものは大きかった。

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