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プライバシー

 以前、開高健と吉行淳之介が下らぬ対話集の中で、作品が英語版だと、もっと儲かっていたのになあ、というような話をしていた。要するに、読者層が増えていればという様な話をしていたということである。しかし、私は首を捻った。金持ちには慣れるかも知れないけれど、それだけプライバシーが無くなるって事が解らないのか?と。また、私の個人的な意見では、二人とも大差は無いのだが、あえて言うならば、開高はともかく、吉行の作品は日本的情感に訴えるものであり、外人には理解できない情感。受けるとすればフランスぐらいだろう。世界的名誉を受けたとしても、プライバシーに関してはまだ作家だから逃げ道がある。ジーコが初めて日本に来た時に、家族で電車に乗っていても、普通に過ごせていたそうだ。しかし、その名が日本中に轟くと、『あっ、またか』という感じで、電車には乗れなくなったそうである。当然、窮屈に感じただろうが、家族の協力や、本当に好きだから耐えられたのだろう。本来の私だったら、電車にも乗れないというのは耐えられないだろうが、好きでやっていることのためにそうなるのならば、耐えられる。要は自分の有り様への覚悟なのだ。単に、金、地位、名誉だけを何も知らずに追いかけていたら病が待っているだけだ。何かを選ぶとは、他の物を捨てるのと同義である。前にも書いたが、一般市民の私でさえ、時には風光明媚で何も無い所へ行きたくなる。ゴチャゴチャうるさいのは捨ててしまって。現在の私の一番の気分転換法は湖に手こぎボートで漕ぎ出して、人気の無い所でオールをたたみ、寝っ転がってボーっとしていることだ。現代人には、そういう時間が欠けている気がするのである。私にも。

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