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新冠のユース  夜の座談会

 座談会の冒頭、ユースのオーナーさんが、「私の知っていることなら、何でもお答えします」とおっしゃって下さったので、その方が詳しいことを悟ったのか、少しの間が空いた。突破口を開こうと、年長の私が口火を切った。「基本的な質問ですが、ディープインパクトほど皐月賞を楽勝した馬をご存じですか?」と伺うと、オーナーさんは、「一概には言えませんが、私の記憶には無いです」とおっしゃった。二人が黙っていたので、続けて、「あのレースを勝った後の武騎手が指を一本挙げたパフォーマンスは、岡部騎手のシンボリルドルフの時が元祖ですよね。夏を超えて淀の3000mの菊花賞があり、伸びる馬もいると思うんですが、ベテランの一流ジョッキーは何を根拠に判るのでしょう?」と聞くと、オーナーさんが、「難しい質問ですね。私はジョッキーじゃ無いので、はっきりとは言えませんが、やっぱり、それまでの経験からくるんじゃないですか」と応えたので、「ディープに初めて乗った時の武騎手が、あっ、お化けだ、と言ったといいますからねえ」と私は黙って首を縦に振る。他の二人に話に参加してもらいたく、話題を振ろうと思ったが、二人とも真剣に聞く姿勢。仕方が無いので、「武騎手ぐらいの年齢の時に同じぐらいタッパのある田原騎手は引退しましたけれど、歳と共に減量がきつくなる中、武騎手は引退を考えているんですか?」と質問すると、「武騎手は現役を生涯続けて、調教師になる気は無いとのことですよ」と聞き、驚き、「他には?」と聞くと、「アンカツさんもそうらしいです」と教えて頂いた。また、黙って首を縦に振り、他の二人を待つ。が、二人とも来ないので、もう、無理矢理、二人向けの話題を振った。三人の好きな馬を話し、「トウカイテイオーは厳しいと思うんですけれども、血統学的にサクラローレルとステイゴールドの産駒の将来性はどうでしょうか?」と話すと、オーナーは、「三頭とも血統としては魅力的な馬ですが馬齢の問題もあります。種牡馬として成功するかどうかというのは運もありますし・・・」と応えられたので、私は再度、黙って首を縦に振った。二人とも言葉を発する気配が無い。このままじゃあ、私とオーナーさんの会話で終わっちまうな、と感じた私は、オーナーさんだけで無く、他の二人と話題になりそうな話を軽くして、「すんません。眠くなってしまったので」と言って部屋に戻った。他の二人も聞きたいことがありそうだという眼をしていたので。寝てしまった私は、その座談会がいつまで続いたのかは知らない。ただ、翌朝、四時半頃に目覚めてしまったので、庭のベンチで一服し、談話室で音量を下げてビデオを観ていた。見終わっても時間があったので、その日の予定を大まかに決め、「夕べはお先に御免」と言って、三人で朝食を頂き、ユースの方々にお礼を言って、一番遅い出発で、ある牧場に寄って、バターを購入しようとしたが、売っておらず、仕方なくソフトクリームを食べ、生まれて始めて馬に乗り、ニンジンをやってから、帯広のユースを目指して出発。新冠の旅の思い出である。

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