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物造りについて

 以前、直木賞作の『下町ロケット』について触れたときに、紹介してくれた友人の職業柄から、特許や裁判について触れたことがあるが、それはこの作品の三分の一にも満たない部分しか占めていない。主な舞台は、下町の町工場。ネタばらしになってしまうので、これ以上は触れないが、映画でも観ているように読んでいてスカッとする作品だった。ここで、話題を町工場にシフトしてみると、思い出す話がある・・・皆さんは、料理器具の一つである、ボウルを完璧に作るにはどうすればいいかと考えてみたことがあるであろうか?簡単に答えるとするならば、鉄板を型に載せ、上からプレスして、ボウルなどすぐに出来るではないかと考えるだろう。確かに普通のボウルならばこれでOKなのであるが、求めるのは『完璧なボウル』である。機械でプレスして作ってしまうと、どうしても厚さが均等にならずに、部分的に薄くなってしまうのだ。完璧なボウルを作ろうと思ったら、熟練した職人さんがコツコツと叩いて作るしかないのである(注:この話を聞いたときには、3Dプリンターなど無かった点に注意)。それ程、熟練工の技とは凄いのだ、という話を聞いたことがある。余談までに、金属の塑性加工の話としてもう一つ・・・昔の水道管の蛇口(細長く、両サイドが九十度ずつ曲がっているもの)をよく観てみると、曲がっている部分が多少なりとも歪んでいることが解る。あれも、開発した当初、東大生に作らしてみても上手く行かず、数式を並べて、作成は不可能であるという論文で終わったそうだが、どこかの工業学校の生徒達にやらせてみたら、本当に作ってしまったという話を聞いたことがある・・・どちらも、物造りの奥深さを感じたエピソードだった。

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