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カウンセラーになりたいと言った少年

 奥さんがカウンセラーをしている友人夫妻と友人数人で、随分前に、昼間から飲んだことがある。奥さんとは、それほど直接話したわけでは無いが、飲んでいて、その場が何かいつもと違う気がして仕方が無かった。何度目かのトイレに立った時、私はその理由に気が付いた。場に戻って確信した。そして、感じていた何かについて話し、「やっと解った。あなたには、ものすごい包容力を感じる。全員を包んでしまうほどの・・・そういうオーラがあなたにはある」と友人の奥さんに語った記憶がある。後に知ったのだが、カウンセラーは家族をカウンセリングしてはいけない、という決まりがあるらしい。理由は解らないが・・・一方で、その数年前の塾講師時代に、テチという生徒がいて、何故だか解らないが、妙に私になついてくれた生徒がいた。勉強は出来なかったが、妙に大人な部分がある生徒だった。苦労しているだろう事は、容易に察しがついた。そんな彼が、卒業前か卒業後に、私と二人きりになった時、ふと、「俺さあ、将来、カウンセラーになりたいんだよね」と語ったことがあった。いっつも遊びの話しかしないのに、妙に真剣なモードだった。私は、「何でだ?」とは聞かずに、「そうかあ・・・それがテチの夢なのか」と素直に受けとめた。そして、「なあ、テチ。カウンセラーに一番必要なものって何か解るか?ある意味、医者になるよりも難しいかも知れないぞ」と聞いてみたら、「う~ん何だろうなあ・・・ヒントくんない?」と言うので、「カウンセリングに来る人達ってどんなイメージだい?」とヒントをあげると、「困ってる人達ってイメージかなあ」と言うので、「いい線いってるけれど、そこから先は自分で考えなきゃあ駄目だ。テチはまだまだ若いしな。人生経験積んでから決めても遅くは無い」と言って、話を切り上げた。テチがカウンセラーになりたい気持ちも解るが、私はそれ以上は言いたくなかったのである。前述した友人の奥さんのオーラはどこから来ているか?哀しみからである。それを乗り越えるためのタフさも必要だ。テチには知らなくてもいい哀しみを抱え込んでほしくなかったのである。

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