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『下町ロケット』と弁理士系弁護士の実態 その2

 「もう一つの質問は、裁判官について・・・弁護士だからといって、裁判官は選べないでしょう?あの小説では裁判官の個性によって判決が劇的に変わる。それって、実際にありうる話なの?」と聞くと、弁理士兼弁護士の友人は、煙を吐いて、「ありうるよ。決してフィクションじゃあない。大きな因子の一つなんだ」と教えてくれた。他の友人達が聞いているのを知ってて、ここから私の話は先へと進む。「事務所のホームページを観た限りでは、理系出身の弁護士が多い気がした。一人々々読んだけれど、特許関係が中心の事務所とみてもいいのかい?」と尋ねると、「うちはそうだよ。特許裁判の仕事が多いなあ・・・十年前には需要が無かったんだけれど、最近は多くて、そこに特化してると言ってもいい位だよ」と応えてくれたら、友人の一人が、「勝率はどれくらいなんだ?」と聞く。「九割以上」「それって選んでいるのか?」「そんなことはない。七割勝つ見込みがあれば、うちには来ないよ。その中で勝負してる」とのやりとり。ここで私はみんなに合わすべきか、自分の質問を通すべきか迷ったが、好奇心が後者を推してしまった。「ところで、最初っからのボスが二人いるじゃない?弁護士と弁理士系弁護士と・・・直属のボスは後者なんだろ?」と聞くと、「うん。そうだよ」と明かしてくれたので、もう少し踏み切った質問をした。「年下だけれど、帽子君の方が偉くなっちゃったじゃない。人間性はともかく・・・」とまで聞いたら、「彼は優秀だよ」と認める返事が返ってきたので、「それは経歴や著作を見れば解る。俺が聞きたいのは、そういう事務所の中で、君がどういうスタンスを取っているかなんだ。聞かせてくれない?」と頼むと、彼は、「そうだな」と言ってすぐに、「帽子君は裁判に勝てる数値を明確に挙げるんだ。53%とか・・・でも、俺はそれは違うと考えている。何を根拠に、そう言うのか、と。だから、俺は、相当きわどい裁判でも顧客の為に必死になるんだ・・・勿論負けることもある。でも、顧客が頼んでみて良かったな、と思われるように努力しているよ」と打ち明けてくれた。「そうだよなあ。裁判なんてカネがかかるのが解っていても、納得できないから起こすんであって、たとえ負けても納得してもらえることは重要だね。立派なスタンスだと思うし、帽子君の理屈じゃあ人の気持ちは動かないよ。いいポリシーだと思う」と言うと、彼はちょっと照れくさそうに笑い、グラスに口を付けた。前の二人を観ると、別の話題に移行していたが、後に彼等は、私と同じ質問をした。その時には私が彼を弁護したが(苦笑)。一段落つき、四品目ぐらいが出てくるとき、『Katsu』の店長が怪しげな物を持ってきた。日本酒の1本目が空こうとしていた。

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