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瀬戸のじいちゃん

 毎日の(仏壇に向かう)お勤めの後に、ふと、母と話し込んだ。じいちゃんばあちゃん、親父、亡き愛犬の遺影が並ぶ中、五年前に他界した瀬戸のじいちゃんの話になった。じいちゃんは全部で五人の孫、全員をかわいがってくれていた。ミカン農家だったが、柑橘類なら何でも作っていたようだ。戦争にも行っている。敵の銃声を聞いて、玉がこちらに向かっていないと解ると、食料として、豚を追いかけていたそうな。だから、じいちゃんはマラリアにはかかったことがあるものの、食糧難に遭ったことが無い。逆に考えると、最前線で戦っていたということだ。じいちゃんだって、戦争には行きたくはなかったに決まっている。だから、軍歌は一度も歌ったことが無いそうだ。瀬戸というところは、山の幸だけでは無くて、海の幸にも恵まれている。じいちゃんは船の免許も持っていた(というより、今のように車検制度が無かった頃、車を自分で分解し、整備していた)。じいちゃんが出来ることで思いつく限りに挙げてみても、日用大工、植木の手入れ、タコ釣り、漢方、売値などの駆け引き、刃物の刃を研ぐ、戦前の剣道二段・・・どれも一級品だった。漢方というのは意外な気がするが、じいちゃんは不整脈を漢方で治した。畑のどこに何があるかもチェックしていた。だから、じいちゃんは親父ががんになったと聞いた時、速攻でサルノコシカケを送ってくれたのである。昨年の暮れ、それまで当たり前のようにあったミカンが無くて寂しいね、と母と話していたら、母の弟の叔父さんが段ボール一箱分、送ってくれた。美味しかった。一度、じいちゃんのミカンを食べてしまうと、買って食べるのが馬鹿馬鹿しくなるほど、売り物は高くてまずいのだ。そういえば、じいちゃんはミカン作りで国から賞状をもらっていた。

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