« 竹馬の友  その7 | トップページ | 竹馬の友  その9 »

竹馬の友  その8

 「全部解ってると思うけれど、俺も同じような理由で今の会社やってるんだよ。会社そのものが、大きな実験室みたいなもので、俺としては、働くというより遊んでいる感覚が強いんだよな。正直、矛盾している面もあるけれど、人に使われるのは嫌だし、払ってはいるけれど、税金納めるのも好きじゃあ無い・・・結局、人間て、自分の好きなことやってないと、生きてはゆけないんだよな」と彼も話す。私は口から黒ビールの泡を拭うと、「そうなんだけれど、時代とマッチしないと、なかなか思想を金に換えることは出来ない。中には盗む奴もいるしな・・・難しく考えすぎているのかなあ?」と嘆くと、彼はガラリと話を変えて、「角砂糖一個で地球が滅ぶ時代だからな」と確かに彼は言った。最初、私は、『はだしのゲン』で、車のガソリンタンクに角砂糖を入れるとエンジンがぶっ壊れる話を思い出していたが、彼の顔を見ると、ぶっ壊れるのは世界中の車だけでは無く、確かに地球だと解る。そこで、「相対論と関係あるかい?」と聞くと、「大いに関係ある。というより、『超特殊相対論』みたいなものだ」と言ったので、私には、全てが飲み込めた。「そうか、そこまで時代は行っちまったか・・・」と最初こそ嘆いたが、「『たとえ明日が世界の終わりでも、今日、僕はリンゴの木を植える』っていう開高健の言葉を思い出すなあ」と話すと、彼は、「そうだ。それが人間の唯一の道なんだよな・・・」、「そして」と二人が同時に言ったので、私が、「そこにしか、次への希望は無い」と言うと、彼も頷き、二人で乾杯した。久々に、互いが高め合えるような話をすることが出来る予感がした。他に誰もいないので気兼ねなく・・・それをここで書き過ぎてはまずいことも認識した上で、記すことにする。

|

« 竹馬の友  その7 | トップページ | 竹馬の友  その9 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521582/60796242

この記事へのトラックバック一覧です: 竹馬の友  その8:

« 竹馬の友  その7 | トップページ | 竹馬の友  その9 »