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竹馬の友  その4

 彼の親父さんが腎臓がんだったことは知っていた。幸い腎臓は二つあるから、一つ残れば、命に支障は無い。これからの通院生活も含めて、不自由なのは解るが。再発しないことを、心より願った。それよりも深刻なのは、お袋さんの方で、原因不明の難病に陥ってしまったと言うのだ。詳しく聞いてみると、(確か)コラーゲンか何かが細胞的に不足してしまい、その為の注射を打ったら、副作用として、骨が弱くなるということ・・・くしゃみを一回すれば、肋骨が折れるぐらいの症状だそうだ。その言葉に私の胸は、ひどく痛んだ。正直、彼の実家に行ったことは一度だけある。彼には未婚の妹もいた。そんな中で、結婚願望について聞かれ、速攻で、「自分はまだまだ未熟です」と話した。彼の妹だからどうのこうのという話ではなく、本音そのもの。未だ三十前、縁があれば嫌でもくっつくものだし、縁が無ければどうしようも無いことだということぐらいは自覚していた。そこまで言ってくれたおばさんが、苦しんでいるという事実は、私の人生経験の中でも、無常観を味あわざるを得なかった。ちなみに、余計なお世話だが、彼の妹のこと(会ったこともない)について危惧していた私は、結婚して子供ができたことを、素直に喜んだ。相手のことは一切聞かなかったが、結婚詐欺説まで飛び交ったそうだ。どちらにしろ、祝福の気持ちに変わりなし。しかしながら、本厄の今年、私は祖母を一辺に二人失い、トラブル続き。彼も、災難続きであった。そうして私は、「本気で厄除けしてもらおうかなあ」などと呟いたら、「そうした方がいいぞ」という彼の返事。彼には宮司さんのコネもあり、祝詞を暗唱できるだけの力があったのだ。私は鍋に入れるエノキダケを半分に割りながら、独りで連想ゲームをしていた。次に私が語った言葉は、突拍子も無いものだった。

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