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バベル BABEL 【WORDS】 の印象  その5

 帰路、産まれて始めてグリーン車に乗った。じっくり考えたかったからである。バベルという演劇が何を言いたかったのかを・・・舞台はまたセットが移動し、今度は多くの男女がペアになり、一組のカップルの男性が女性をぐるんぐるんと回転させていた、これは昨今の貞操観念及び性、及びSEXの堕落を物語っている様に観えた。学生時代から男も女も相手をとっかえひっかえ、就職できない女子大生の希望する職業の上位にキャバクラ嬢(男にも責任がある)という現状を連想させた。遊んで金になる時代・・・空しい。続いて舞台上で起こったのは暴力シーン。少し忘れてしまったが、みんな死ぬ。現代の人類の行き過ぎた科学への奢りと文化の堕落は、まさしくバベルの塔を作ろうとしている様なものなのではないか?その結果、再び、神の怒りに触れたのだ。ここで掃除婦役だった、時代に流されなかったおばあさんが、モップのようなもので死んでいる役者たちに触れると、倒れた役者たちが生き返る。横になったセットの中に入り、両脇でロボット役の女性と蘇らせたおばあさんが、美しい声で賛美歌の様なものを歌う。すると、各国の人々は、改心し、肩を組み、足を交錯させて、打ち解け合う。そして舞台奥に並んだ六つのセットの中に男女二人ずつ入って、エンディングとなる。ここで、私は悩んだ。この演劇は、現代の人類への警句なのか、神の怒りに触れても(多分同じ過ちを繰り返すだろうが)それでも人類は悔い改める英知があるはずだ、という人間賛歌なのか、グローバリゼーションの在り方のモデルを示したものなのか、それとも他に狙いがあるのか、と。おそらく、人によって解釈は異なるだろう。演劇とは文学と一緒だ。そこのところを考えさせるのが狙いなのかも知れぬ・・・鍛え抜かれた役者達の熱演に圧倒されもした。シナリオも素晴らしかったが、あれだけシンプルなセットで、ほとんどセリフもなく、様々なことを表現している演出家、振り付け師、音楽家、その他の全ての関係者の方々・・・全てに度肝を抜かれた。今まで観てきたセリフの多い日本の演劇は無駄銭だったとも思った。また、映画と演劇では全く別物だと言うことを思い知った。こんなに想像力をかき立てられたことは無い。今でも興奮している・・・ご紹介頂いた坂本龍一教授に心からの感謝をしたい。ありがとうございました。

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