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バベル BABEL 【WORDS】 の印象  その2

 例のシンプルな大道具を持ち寄り、天まで届くかの様な、バベルの塔を作り上げた瞬間に、恐ろしい雷の様な音が鳴り響く、神の怒りに触れたのだ。人々の言語がバラバラになり、争いが起き、バベルの塔は破壊される。そこに出てくる暴力とは、戦争の原型ではなかったろうか。言語が文化の基底である以上、異なる文化を持った民族同士の戦争が絶えなくなり(勿論、血の問題もあるが)、現代に於いてもそれが繰り返されることへの皮肉。その裏側には、本当の平和とは何か?平和ボケした今の日本の現状を考えさせられた・・・それらに嫌気が差した人々により、壊されたバベルの塔は、十字架の形(多分上から見たら)になり、人々が救いを求めていた。あれは、キリスト教をモデルとした、様々な宗教問題へのメタファーではなかったか?私は、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を思い出していた。人間には信仰が必要で、もし、それがなければ、モラルがなくなる、ということを。異なる宗教間で歴史上も現代も戦争が絶えず、同一の宗教の中でも右や左やで、争っている、人間どもの愚かしさへのメタファーだと受け止めた・・・場面は変わり、一気に現代に移る。舞台上のあらゆる直方体の骨組みが縦に置かれ、現代社会の街の様子を表現していた。おばあさんの役者が掃除婦を演じる中で、他の役者たちは舞台上を忙しく歩き回る。まるで、他人のことなど構っていられないという雰囲気で。あれは現代社会での人間疎外の問題、また、縦に伸びた直方体は、9.11を連想させた。ニューヨークのウオール街を歩いた時の異常な雰囲気を思い出しもした。何のために人々は忙しがっているのだろうか?何を焦っているのか?という皮肉。金と自分の家族や組織の為になら許されるという、エゴイズムの問題。漱石が留学先のロンドンで泣いて過ごした話。漱石は現代社会を見据えていたのではないだろうか。さながら、タイムマシーンにでも乗ったかの様に・・・人間疎外の中、舞台手前に置かれた立方体の中で、一人の男が闘う。音楽は般若心経・・・なのだが、般若心経が省略されていたのには心の中で笑ってしまった。しかしそこにも意味があったのだ。

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