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醜いもの

 父方のばあちゃんが他界して、まもなく四十九日となる。どういう意向だか知らないが、ある叔母様の都合により、三十三日で一回忌が執り行われた。そのころの私といえば、栄養失調で、ぶっ倒れることを繰り返していた。本来、信仰心の強かったばあちゃんからすれば、そういう日取りには拘った筈である。母だけが向かう準備をしていたが、私は、「どうせ、ハメられるだけだから行かない方がいい」と進言。うちの母は、驚くほど傷つきやすく、アホで、お人好しなのだ。そもそも、三十三日の法要など聞いたことが無い。葬式とは恐ろしいもので、その人間の本性が現れる。私は、故父が親戚をまるっきり信用していないことを知っていた。母をその渦に呑まれない様にしただけである。傷つくだけだからだ。結果、母は家に残り、訳の解らない遺産金を受け取ることになった。行っても行かなくても同じだ、という私の読みは的中したのである。遺産金と言っても、僅かな額で、私は自分の為にならないと思い、辞退したかった。本来、お金というものは汗水垂らして稼ぐものなのだ。ばあちゃんの汗を受け取る気にはなれなかった。弟もそう言った。これらが私どもの本音である。棚からぼた餅みたいな金を受け取ると、自分が潰れる・・・そこまで言ったら、母が涙腺を潤した。「私の子供達は、しっかりと育ってくれている。育て方を間違っていなかった」と。本当の所、私は、ばあちゃんの遺言書のありかまで教えられていた。でも、ばあちゃんを愛しているからこそ、受け取れない。こんなことで悩むぐらいなら、一日も早く、生産的な事がしたい。

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