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『連ドラ、花子とアンを観て』

 私には長文読解も出来ないし、英作文も苦手である。しかし、英文和訳は性に合った。尊敬する先生の授業があると、眠い目をこすりこすりで、予習に励んだ。その時の努力のおかげで、三十まで飯が食えた。私は、高一になるまで、まともな英語教育を受けていなかった。高校に入って、訳の解らないまま一学期を過ごした。通知簿では、初の赤点をくらった。ショックであった。くやしくて、夏休みには参考書一冊分の宿題を出され、解らないなりに二日二晩徹夜して持っていった。ハンコは押されたが、無言だった。私はそれを、相当の屈辱と受け止め、チャンスを待った。その頃の私は数学の勉強に夢中だったのである。すると、その英語の先生は冬休みに、どぎつい宿題を出してきた。私は懸命に英文を写し、訳した。問題もといていった。全部でノート三冊。びっしり埋めていった。そのノートにハンコを押してくれていた先生が、初めて、「お前はきっと伸びる。近いうちにだ」とおっしゃって下さった。私は初めて認めれた気がして嬉しかった。現在のNHKの「花子とアン」を観ていると、あの頃、翻訳をするのが楽しかった自分を思い出す。何が楽しみかというと、英語を辞書を読みツブシながら、文法通りに直訳しても、日本語にならないのである。そこのところで、英英辞典を引くために英和辞典などを引くのだが、なにしろ、直訳では通じないのである。そこに私は面白さを見つけた。直訳でなくて、意味を外さず、どのように日本語らしく訳すかということに熱中した。二時間睡眠の日もあった。でもその先生は毎日三時間睡眠で働いていらしゃった。誰も何にも言わなかった。もちろん、付いていけるやつとそうでなかった奴とは、差が開いた。

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