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チーズケーキを食べてみて

 一年弱前、お袋が長年使っていた電子レンジの故障と共に、母にサイズを聞いて、私がAMAZONで検索した商品の中から、やはり母に気に入った物を選んでもらい、注文した。どんな性能の品物が来るかは不明だったが、届いてみると、母は性能にご満悦だった。それから、度々、オーブン機能なども使って、いろんなものをこしらえてくれるようになった・・・今日は甘くないチーズケーキに挑戦。冷やしてから食べると、絶妙な歯触りとチーズの風味、微妙にしか感じない甘さに、二人して舌鼓を打つ。私がベタ褒めしていると、母も嬉しそうだった。とろけるようなチーズに、私は思わず、「これだったら、父さんでも食べられたんじゃあないかなあ」と語りかけた。母も、「うん。もっと早くに気付いてあげれば良かった。あと、あの頃、圧力鍋があったら、いろんな物を作ってあげたんだけれど、忙しくて余裕がなかった」と悔いていた・・・今年は親父の七回忌である。舌がんと食道がんの併発から始まった親父の闘病生活は、八年に及んだ。最低4回の再発と8回の入院。舌がんは完治したのだが、舌への放射線治療で歯はボロボロになり、味覚は、辛い物や熱い物だけではなく、最後には、苦い物も食べられなくなっていた。メロンでさえ駄目だった。食事前、歯にはスプレー麻酔を掛け、黙ってテーブルを叩いている姿は痛々しかった。親父は八年間、一度も『痛い』とか『つらい』と言わなかった。私の記憶にある限り、一度も、溜息さえついた事がない。家族は皆、尊敬していた。没後三年間、私は引きずっていたが、今度は私が母を支える番だと、臨終の時に決めていた。父が黄泉の人となっても、母も私も弟も一切涙を流さなかった。最近では、父との思い出を消そうとしている自分がいるような気がして怖い。母とそんな話をしているうちに、夜になり、弟が仕事から帰ってきた。私と母は話題を切り上げて、三人で夕飯。その後、チーズケーキを食べた弟の一言は、「美味しいんだけど、フォークが見付からなかったから、ケーキをスプーンで食べちまった」だった。これには場が和んだ。

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