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春の贅沢

 弟が我が家に住み着く様になって二週間が過ぎた。弟は午前六時前に会社に行く。昨朝、母親が寝ぼけて、座椅子で寝ている私を弟と勘違いされて、午前四時半にたたき起こされた。こうなったら、もう、意地でも花見に行ってやる、と思った。ダメモトである。毎年行く森林公園はお花みスポットで、賑やかなのがいい。子供さんが多いのだ。電車を降り、ビールとハイリキを買ったら、タクシーに乗った。ワンメーターで行く。運転手さん聞いたら、もう、三分咲きだと言う。それでも行ってみたら、下の方の桜の木が二本だけ咲いていた。そこにゴザを敷いた。母の弁当を食べながらの花見である。風が吹く度に、残り少ない花片が散っていた。桜の花片が散る度に、『ひさかたの』という歌を思い出す。これは、太平洋戦争のスローガンにもなった歌だ。うちの瀬戸のじいちゃんは、幸いなことに五体満足で帰ってきたが、戦死した人達も多かったらしい。じいちゃんは、死んでも軍歌を歌わなかった。花片が舞う中、数多の英霊を偲んだ。桜にはそういう儚さがある。母がゴザの上に寝転んでいる時に、「戦前の昭和って時代は嫌だったね。司馬さんも昭和は書いてはいない」と語ったら、「うん」と言っていた。続けて、「戦後になって、平成になって・・・今のガキ、特に男は、昔の人ほど締まった顔していないんだよな。情けないことに、体育会でもそうだ」と話した。そうして弁当を食い終わり、酒を飲んだら、酔っ払ってしまった。家に帰ったのは午後三時。弥吉君はお利口さんにお留守番をしていてくれた。

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