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芭蕉の世界 その1

 随分前の話になるが、将棋の故・米長邦雄永世棋聖が、京大の数学の大家、岡潔氏の講演を聴きに行った際、トラブルが起きたそうだ。待ち合わせの約束の問題だったのだが、氏は講演の時間になっても姿を見せず、急遽のピンチヒッターとして、米長氏が講演したそうだ。氏は奈良に住んでおり、講演の主催者から、「降りた所で待っていて下さい」と言われ、プラットホームに立って待ち続けたそうである。常識では考えられないことだが、氏は待ち続けたそうだ。それで、時間を過ぎたら帰ったそうである。常識では考えられないことだが、これが数学者というものである。氏は、後日、弁明してきた主催者には無頓着。ただし、ケリを付けてくれた米長には一言言ったらしい。お礼の言葉か、詫びの言葉かは解らぬが、尻ぬぐいをさせた米長にだけ、特別に講義すると言った。この言葉に、米長は驚き、完全に間違いの無い様に手配させたらしい。米長が岡氏の奈良の自宅を訪れたそうだ。米長の著作によると、マンツーマンで講義を受け、江戸幕府が鎖国をしたメリットは、芭蕉の存在と、将棋の制度だと語ったらしい。後者はややお世辞にも聞こえるが、前者が岡氏の論点だった様にも感じる。その後、米長は自身の棋士同士の対局に、岡氏を招くことになったのだが、考慮中に、岡氏が閃いたらしく、地面に数式を書き出したのを鮮明に覚えていた。「あの時、写真に撮っておくべきだった」というコメントが残されている。

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