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真っ直ぐな道でさみしい

 『真っ直ぐな道でさみしい』という言葉を知ったのは、TVか本か漫画からかは覚えていないが、散文詩の種田山頭火の言葉である。紆余曲折の人生を辿った方だ。父方の爺ちゃんの本棚にも、山頭火の歌集があった・・・素直に生きることと、真っ直ぐに生きることは違う。素直に生きることとは、後ろ指されること無く、正直に生活していくことをいう。これは、あくまでも、ノーマルな生き方なのだ。これだと、面白みは無いが、自尊心も傷つくこと無く、楽に生きてゆける。単なる処世術なのだ。素直で無い人間が多い中、人格者として成り立つ。しかしながら、真っ直ぐに生きることというのは、世の中などの常識は無責任であることを知り、世間の評価など気にせず、他人の視線では無く、自分の人生を自分の信じる正しい道に向かって生きる人のことをいう。こちらは、生きるのにやや骨が折れる。正直言って、クソ真面目すぎるのだ。その代わり鋭いし、大抵、人生で何か人より重いものを背負っている。これは生きにくい。しかし、そうで無ければ生きられない所がややこしい。山頭火は間違いなく後者であった。だから、酒に逃げたし、妻子を捨てて得度した晩年、『真っ直ぐな道でさみしい』と、自己告白の様な言葉が出て来たのであろう。こういう人は、形式的に馬鹿な振りは出来ても、本音はいつも冷めている。精神の内面は不器用の塊なのだ・・・山頭火では無いが、あれだけの無頼漢を誇った囲碁の藤沢秀行でさえ、死ぬ間際に、『のたれ死に』という本の中で、『酒でも飲まなければ神経が持たなかった』と告白している。複雑な思いであった。

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