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父の可愛げ

 家の父は、物作りが好きで重工に行った様なものである。その親父が、私が小さい頃に、貯金箱を作った。一辺30cm位の、立方体の木製の貯金箱である。金を入れるところには、当時の母の唇が描かれていたし、この上なく頑丈な物だった。私も弟も、笑いながら、5円玉とか10円玉を入れていた。子供の約束の様に、その貯金箱はぶっ壊されるのだが、大金を手に入れた覚えはない。せいぜい駄菓子屋で何か食べられる程度だった。それでも、親父とお袋が一身を犠牲にして、私達兄弟の犠牲となって塾に通わせてくれた。学問を身につけさせてやることが、最大の使命だと、母は買いたい服も買わずに頑張ってくれた。一方で親父は、末っ子のせいか、遊び心に満ちあふれていた。会社の上司が八幡平に行きたいということで、付き合った時には、『ゆ』と書いたのれんを買ってきたし、わんこそばも食べたらしい。他にも、これでもかという南部鉄器の灰皿を買ってきて、テーブルの中央に置いていた。親父はもういないが、その灰皿だけは、家の中にお住まいである。

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