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みかん二度切り

 小学校一年の時と三年の夏休みに、弟と二人で瀬戸の爺ちゃん婆ちゃんの家に世話になっていた。お盆に家族四人で帰るのだが、親父の仕事の都合で、両親は一足早く帰っていた。みかん農家だったので、夏にすることなんてあるのかな?と思っていたら、毎日、爺ちゃん婆ちゃんは出て行く。ある朝、弟と一緒に早起きして、爺ちゃん達と一緒に、段々畑を登った。すると『テッカ』をすると言う。私は、『テッカ』てなあに?という暇も無く、爺ちゃんは山に登っていった。当時の婆ちゃんの説明によると、より美味しいみかんを作るために、余分なみかんを『テッカ』するのだと言う。何かもったいない気がしたが、『テッカ』はまだ早いから、農道待機を命じられた。最初は、爺ちゃん婆ちゃんが『テッカ』したみかんが転がってくるので、弟と二人で、農道に横並びにしてみた(冬から出荷のみかんだから、夏にはとても食べられない)。それに飽きたら、弟とキャッチボールをした。それでも飽きてしまったので、爺ちゃん婆ちゃんの指導の下、『テッカ』を一本だけやらせてもらった。楽しくて、そのみかんの木の実を全部取ってしまった。これでは『テッカ』にならない。爺ちゃん婆ちゃんは何も言わなかったが、みかんの実の切り方が面白かった。木から採るときに、一度切る。そのままコンテナに入れてしまうと、みかん同士が差し合ってしまうので、二度切りするのだ。その作業を、『ヘタトリ』と呼んでいたが、木から切って、さらにヘタの部分を二度切りするのだ。ハサミもそういう風にしやすい構造になっていた・・・作業が全て終わってから、軽トラで帰ろうとすると、爺ちゃんが横一列の『テッカ』されたみかんを観て、「おんしらがやったのけえ?まあええじゃろう」といって家路に就いた。『摘果』にしろ、『収穫』にしろ、みかん二度切りは鉄則なのである。

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