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我が家のがばいばあちゃん (その6)

・酔っていた私は、ばあちゃんに不義理をしたな、と思いつつ爆睡し、翌朝、親父の兄貴に当たる叔父さんから窓をノックされるまで寝ていた。挨拶して、父の実家に戻ると、まず、ばあちゃんに詫びた。「あんた、何しとったんや?」と聞かれたので、「悪いことは何もしてない。ただ、僕は、旅する度に、ここは僕の街とどう違うんだろう?例えば、本屋に置いてある本はどうか?食べ物はどうか?町の人の言葉はどうか?・・・そういう事を観察していたんだ」と答えたら、ばあちゃんは、「あんた、そういう旅しとったら楽しいやろ」と言って許してくれた。そして、二人で朝食というときに、冷蔵庫の中に何も入っていないことに気がついた。「ばあちゃん・・・これじゃあ作りようが無いよ」と言ったら、ばあちゃんは、「かまへん、かまへん、ヘルパーさんが、こうてきてくれるんやから」と言って、二人で鮭を暖めて、一緒にご飯を食べた。ばあちゃんは、「洗い物はせんでええから、歯を磨いてこい」とだけ言った。私は歯を磨きながら、ばあちゃんが、床に落ちたご飯粒でも食べていたのには参ったなと思い、これから自分もそうしようと思いながら、台所に戻ると、ばあちゃんの姿が無い・・・キョロキョロしていると、仏間に昨日の坊さんがいた。正座し、ばあちゃんとお経を聞いていた。終わるとばあちゃんが包んだ紙を渡し、私は、線香のお礼を言い、生意気にも、「世に般若心経の解説本は多々ありますが、十人十色の本ばかりですね」と言ったら、和尚の目つきが変わり、「ほほう」と言われた。その一言で私の負けだと思ったので、「粗相すいません」から、その日が始まった。

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