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惚れそこない

・私は女に不自由してきた。高校の時の数学塾で惚れた女の子は、二人とも年上だった。年下だけれども、私立ということで、一年上のクラスに入れられた私には為す術が無かった。当然、哀しい結末が待っていたし、まさしく一期一会だった。私が大学に入った際、その娘らは、もう別の人生を歩んでいるんだろうと悟った。胸に響く、強烈な失恋の詩が私を襲った。・・・それから数ヶ月して、私は、クラスのある女の子に惚れていることに気付いたが、それは間違いであった。気が強くて女性的な魅力が全然無かった。大学一年の時、四人の女性を見捨てた私は、大学四年間、彼女を作らないことに決めた・・・そのうちに、私は女の嫌な面を持っていない女性に憧れてきた。うちの大学に通ってきていた女共は、どいつもこいつもペルシャ猫の様だった。そんな中、研究室の友人の元彼女と出くわした。ボーイッシュなタイプで、時々、うちの研究室に顔を出していた。何故か、研究室の入り口にいる彼女の存在に気付くのは、私が一番早かった。気付いたら、煙草を吸いに行く振りをして、そいつと話すのだが、そいつが最後に発した一言は、「私、来年からここにいなくなるの」という言葉だった。なんでも、東大の大学院の院試に受かったとのこと・・・複雑な気持ちだったが、私は、「おめでとう」と言い、「俺、お前からパワーもらっていたんだから、お前がいなくなると困るよ」とうっかり言ってしまった。すると彼女は、「そういうことは、もっと早く言ってよ」と言っていたので、私の方が、「気が付かなくてごめんな」と謝っていた。同輩の元彼女だから、ずっと黙っていたが、その娘は、「この馬鹿野郎」と言って、最後に涙を見せた。

・一件複雑に見えても、物事たるものは、実はシンプルに出来ている気がして仕方がない。

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