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ヒッチハイク野郎の本音

・世界遺産と言っても、平泉駅の東側には、ただただ田園地帯が拡がるだけである。その駅前の確か、『芭蕉庵』で、ヒッチハイクをしていた奴に、ご馳走した。旨いそばを食べた覚えがある。そいつは人生の岐路について、迷っていた様子だった。私は、「今、お前、悩んでいるからヒッチハイクの旅をしているんだろ?」と聞いた所、そいつは黙り通していた。私は、「でも、折角、平泉まで来たのなら中尊寺は観ておくべきだぞ」と言って、二人して見て回った。その後も飯を食べたのだが、そいつが、泣きながらビールを飲んで、「一ヶ月ぶりッスよ。こんなに旨いビールを飲んだのは」と言って、涙を隠すべく、おしぼりで顔を拭いている姿を観て、私が一言、「あのなあ、お前、俺よりも若いだろ・・・それならば、今日、俺がしてやったことに対して、恩返しなんか考えなくていい。お前が出来るようになったら、お前の見込んだ奴に、ご馳走してやれ・・・どういう時代でも、そういうことっていうのは、大切な事なんだ」と言ったら、そいつは、ビールを飲み干し、「三日ぶりの食事ッスよ・・・ごちそうさまでした」と言っていた。そいつと中尊寺の横にある毛越寺という寺の、庭を歩いていた時、鐘のところで、『一突き10円』と書いてあったのを観て、そいつは、「俺、こういう金の取り方って、許せないんですよね」と言ったので、私も、「同感だ。金なんか払わなくていいから、思う存分突いてやろうぜ」と言ったら、二人併せて五十回ぐらい突いていた。私が、「こんな事しても仏罰があたるはずが無い」と言って引き揚げた。

・そいつは、八戸を目指していたらしいのだが、トラックの運ちゃんに拾われて、その日のうちに盛岡に着きました、というメールが来た・・・そいつ、案外、大物になるかもな、と思った。

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