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私が棄てた女

・大学三年の時、それまで微妙に付き合いのあった男の友人から、「あいつを抱けたら死んでもいい」という、強烈な発言を聞いた。そいつ曰く、「理工学部で一番の美人は機械科にいるでしょう」と言われたらしい。そいつが、どの女の事を言っているのかは明白だったが、運がいいのか悪いのか、『あかさたな』で名字が近い、私が実験パートナーとして、その女と組むことになった。実際の実験では、危険なことは進んで男の私がやったが、前期だけで、その女と別れられると思っていた。すると、後期の実験もそいつと一緒になった。その時の実験の後、「お前、過去レポ欲しくないか?女の子って機械科で四人しかいないから、そういう情報って入ってこないだろ?」と言ったら、「欲しい」と言っていたので、翌日、噴水前のベンチで待ち合わせて、厚さ5cm位の量の過去レポを渡した所、目をまんまるにして、驚いていた。渡してから、続けて私は、「噴水前のベンチに俺が座っているだけで、たった一週間でこれだけの情報が集まるんだ。お前も注目されている以上、中途半端な真似だけはするなよ」と言って釘を刺しておいた。その子は、独り暮らしで、入学式の時にナンパされて付き合ってることを知っていたので、あえてそう言ったのだ。それは妬みでもなく、悪でもなく、本当にそいつの事を思って言ってやったのだ・・・私がその女と歩いていても、誰も噂などたてなかった。

・後期の実験に入り、私はその女を見捨てた。淡泊すぎたのだ。しかし、私の研究室時代の仲間でも、終電のドアが閉まるまで、私が院を辞めた話で盛り上がっていたらしいのだが、「私、あの人が一番心配・・・」と言われてしまったので、ドアが閉まる瞬間まで迷って、いざ告白しようと思っていたら、ドアが閉まってしまったらしい。私は、研究室時代、そいつの事を『尊師』と呼んでいたので、いささか気まずかった。

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