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仲の良かったおっちゃん

・私が覚えている記憶はこれで最後になるが、例のご近所さんで、シャイな内面に裏打ちされた破天荒なおっちゃん(もう亡くなったと聞いた)が、ある時、私が車庫から車を出すと、歩いていらした。その時は、お袋が免許を取った際の、中古のストーレットだった。私は、多分、どことなく出かける予定だったのだが、おっちゃんを見付けると、軽くクラクションを鳴らし、どこに行くのか尋ねると、おっちゃんは洗濯機の取水のバルブが壊れたそうで、バスに乗って、近い様で遠い雑貨店に行くとのことのことだった。私は、おっちゃんが引っ越してきて歳月が経っていないので、「それなら、もっと近くに同じ様なホームセンターがありますよ」と言って、おっちゃんを送ることにした。おっちゃんは無口であったが、まもなく店に着いた。二人でその部品を捜していたのだが、おっちゃんが目ざとく見付けた。私が店員を呼んで、おっちゃんの前で、説明を聞いていると、その店員は自分への責任を避したけるためか、私でも解らない説明をした。おっちゃんは、しばらく黙っていたが、勝負師が何かに賭けるような雰囲気で、「これでいい」と言って購入してしまった。私が、「大丈夫なんですか?」と車の中で尋ねると、おっちゃんは、「あいつ、言い訳ばかりしていただろ、昔は下の奴の責任を上の奴が取るのが当たり前だった」と言って懐かしい眼をした。そして、「あの店、いずれ潰れるぞ」とブチ切れながら言っていた。洗濯機の問題は、上手くいったのだが、おっちゃんの言うとおり、その店は潰れていた。予言通りだった。

・そのホームセンターの店員の説明をギョロリとした眼で、じっと見ていたおっちゃんの顔が忘れられない。

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