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福井でのボランティア その2

 福井に到着した日の午後、市内を流れる川の堤防が決壊した地区に行くことになった。暑い時期だったので、本部にある無料のドリンクのペットボトルを二つ取り、軍手をはめて、送迎バスに乗って、現場へ向かった。着いた途端、七、八人ぐらいで作業に入った。

 そこは、独り暮らしのおばあさんの家で、駄目になってしまった家具や畳などを運び出すことになった。古く小さな家だったが、水を吸った畳などは、結構重かった。その後、床下の泥を書き出すために、板を剥がし、泥集めが始まった。土嚢袋に入れて、バケツリレーの様にして外へ運んだ。一通りそれが終わると、少しの休憩となった。この家は、もう、人が住める状況じゃないと感じた私は、おばあさんはこれからどうなってしまうんだろうと、心配した。おばあさんは、思い出が詰まった家が大変なことになっているのに、自分のことは顧みずに、ボランティアの私達に、涙ながらに、ありがとうございます、と繰り返し繰り返し言ってくれていた。私は複雑な思いを捨てきれなかった。

 休憩中、地元の方が、川が氾濫しそうな時に、市長がただ見ているだけだったらしく、皆から、「そんなとこに突っ立ってないで何とかしろ!!」と罵声を浴びせられた事を聞いた。「あいつは次の選挙で落ちるな」とも言っていた。

 休憩後は家の側溝のガレキ拾いで、結構、腰に来た。泥だらけの服に水を浴びせてもらい、泥を落として、本部に戻ると、既に夕刻だった。軍手は一日で駄目になったが、十組ぐらい持ってきていたので、捨てた。車でホテルに戻り、チェックインすると、離れの方に案内された。着替えて洗濯をし、風呂に入ってから近くの繁華街で夕食を済ませると、一気に疲れがやってきた。離れに戻り、もう、寝ようかと思っていたら、年増だが美人なホテルの従業員の方が、「お疲れ様でした」と声を掛けてくれた。その方はすぐにいなくなったが、離れの洗面所で、白髪頭のおじさんが歯を磨いている。僕は声を掛けてみることにした。

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