« コンポぶっ壊れる | トップページ | 忘れていた母の誕生日 »

伏見での行者との会話

 とある地にて、車中泊を繰り返しながら、京都観光を行った時のこと。東福寺を観光した後に、伏見稲荷にたどり着いた。結構山深い中、鳥居だらけの中、ある女易者と出くわす。

私:「何やってるんですか?こんな所で」

女易者:「易です」

私:「じゃあ、適当に僕のことを占ってください」

女易者:「30分3000円ですがいいですか?」

私:「じゃあ、結構です」

女易者「では2000円にします」

私:「易の何を勉強されたのですか?私は以前、易者にスカウトされたこともあるのですが・・・」

女易者「女性と男性で感じ方が異なりますから」

私:「私にはどうしても、貴方の欲の皮がつぱっているようにしか見えないのですが」

女易者「貴方のお好きな様に」

 山を降りて駅へ向かう途中、一人の行者がいた。私は好奇心をそそられ、質問してみたくなった。財布から千円札を取り出し、行者の懐に入れた。そしてこう切り出した。

私:「貴方はまだ若い。何故、行者の道を選んだのですか?」

行者:「私は一度死んだ身ですから、行を行っているだけです」

 この場合、出家の理由をほじくり返すのは失礼に当たる。

私:「最近は堕落した坊主だらけだと思うのですが」

行者:「それは私の師匠もよく言っています。行をする場合は、良き師匠を選ばねば意味がない、と」

私:「お邪魔ですが、いくつか質問してもよろしいでしょうか?」

行者:「はい」

私:「師匠の教えで一番大切なことは何ですか?」

行者:「人間は、損得勘定で墜ちるということです」

私:「なるほど、それが堕落への第一歩だと、師匠はおっしゃるのですね」

行者:「はい。それから、『行』はきついから若いうちにやっておくべきともおっしゃっていました」

私:「解ると思いますが、私も興味があるので、貴方に質問しているのです。私には、まだ浮き世でやらなければならないことがありますし、この歳では俗世にも興味があります。全て期待はずれで、がっかりすることが多いですが、いつかきっと、自分が納得する世界が来る様に思うのです。私はそれを信じたい。…今日は、貴重なお話、ありがとうございました」

行者:「いえいえ、勉強になります。ありがとうございました」

|

« コンポぶっ壊れる | トップページ | 忘れていた母の誕生日 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521582/54007366

この記事へのトラックバック一覧です: 伏見での行者との会話:

« コンポぶっ壊れる | トップページ | 忘れていた母の誕生日 »