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原チャリが壊れる時 その1

 大学一年の夏、弟から買ったスクーターに乗って最寄り駅に向かった。中高時代の友人とゲームセンターに、夜遅くまでいた。そいつの終電が無くならないうちに、別れたのだが、大学が始まる前の晩ということと、夏が終わったことが寂しくて、どこか遠くに行きたくなった。海沿いの道を走り、秋の風を感じていた。目的地に着くと、タバコをふかして、公園に大の字になって、夜空を見上げた。夏なので、それ程、澄んではいなかったが、哀しい気持ちを吹っ飛ばしてくれた。原チャリのエンジンは、かなりヒートアップしていたので、水でもかけたかったのだが、財布には、帰りのガソリン代を差し引いたら二百円しか残っていなかったので、冷やす事をあきらめた。

 さて、帰るかという段になったら、帰り道は快適だった。普段は60Km/h 出ない原チャリのエンジンがヤケに調子いい。時計を観たら、午前一時。これだったら二時には着くなと思って走っていたら、いきなり、『ピャーーッ』という音がしたので、後ろを振り向いたら、どこからか火花が飛んでいる。そして、エンジンブローを起こしたので、私はエンジンを切り、歩道で様子を見てみた。キックでエンジンをかけようとしても、ペダルが回らない。どうしようか迷ったが、終電はとっくに行ってしまったし、両親は寝ている。次の日の一コマ目には、単位が危ない『体育』がある。どうしようもなくなって、バイクを蹴る。仕方なく、一晩中、歩道を押していった。後からバイク屋に原因を尋ねたら、クランクシャフトが折れていたとか…

 四時間は押したであろうか、私は二百円のうち、百五十円をポカリスエットに費やしてしまった。隣駅の市営の駐輪場に駐めて、駅へと向かった。当時は、まだ、自動改札ではなかったので、自宅の最寄り駅まで、JR様にお世話になった。そこから、まだ一時間かけて、帰宅した。親父は、「アホやな」と言いながら、朝飯を食べていた。私は風呂に入り、三十分ほどで、古いチャリンコを取り出して、学校へと向かった。太陽が黄色かった。

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