« blog本の配送ミス | トップページ | 自分からパンチを打て »

小学六年生の夏休み

 六年生の時、私のブロックには、六年生の女の子が他に三人しかおらず、私の住んでいるブロックの代表を選ばなければならなかったのだが、みんな嫌がったので、男の私がやることになった。普段の会合には一切出席しなかったが、夏休みの朝の公園でのラジオ体操にはどうしても出なければならなかった。各ブロックの代表は、みんなの前で見本にならなければならない。出席したという証である、出席の印も押さなければならなかった。だから毎朝6;00には起きていた。

 それから、家に帰り朝食を採ってから、八時ぐらいのバスで、塾に通っていた。私は小学校の四年生の頃から塾通いさせてもらっていたが、中学受験向けの塾だったので、六年生の時の夏期講習は、休み時間があるとはいえ、朝の九時から夜の八時まで、缶詰状態で講義が続いていた。唯一の楽しみは、休み時間にみんなで外で遊ぶことだった。いくら受験のためとはいえ、子供がカンヅメになっているのを不憫に思った先生もいて、国語の時間に、テキストそっちのけで、芥川龍之介の『芋粥』という短編を朗読してくれたりしていた。

 夜の九時頃、家に帰ると、親父が麻雀牌を会社の同僚の方から買ったらしく、私の遅い夕食が終わると、隣の部屋で麻雀の役とルールを教わってから、毎晩、二時間ぐらい家族四人で打っていた。しかも親父は、子供からでも何十円という単位だが、勝った分を請求し、「いつもニコニコ現金払い」と言って徴収された。夏休みといえば、受験生にとっての天王山であるのに、私は麻雀の勉強もしなければならなくなった。本屋で麻雀のセオリーを書いた本を買ってきて、バスの中で読んだりもしていた。結局あの頃の睡眠時間は六時間半ぐらいだったが、多分、親父も、『芋粥』を読んでくれた先生と同じく、私に気分転換が必要だと考えてくれていたのではないかと思う。

|

« blog本の配送ミス | トップページ | 自分からパンチを打て »

ギャンブル」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521582/54007294

この記事へのトラックバック一覧です: 小学六年生の夏休み:

« blog本の配送ミス | トップページ | 自分からパンチを打て »