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雨ニモマケズ

 私と弟が子供の頃、雨ニモマケズ、風ニモマケズ、雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ、丈夫な体を持った、新聞集金のおばさんがいた。月に一度の集金なのだが、私が物心つく前から来るたんびに、私と弟を可愛がってくれていたそうだ。もう、おばさんの面影は忘れてしまったが、おばあさんになってもその仕事を続けていた。

 数年前のこと、家で私一人が留守番をしていた時に、玄関のチャイムが鳴ったので、出てみると、新聞の集金だった。いつものおばあさんではなく、若いおばさんが来たので、私は思わず、「いつも集金に来ていたおばあさんは、どうしたんですか?」と聞いたら、おばさんが、「こないだ亡くなりました」と話してくれた。ショックを隠しきれなかった私は、「ちょっと待ってください」と言って、財布から千円札を取り出し、「これ、線香代にしてください」と言って渡した。おばさんは、「分かりました。ありがとうございます」と言って去っていった。

 数日後、再び玄関のチャイムが鳴った。母が出て行くと、その時の新聞集金のおばさんが葡萄(巨峰)を持ってきてくれて、「あのときの千円が非常に有り難かった。母の仕事を認めてくれている方がいるなんて思いませんでした」と言って、泣きながらいろんな話をしてくれたと、後で母から聞いた。私が線香代を渡したおばさんは、亡くなったおばあさんの娘さんだったのだ。考えてみれば、新聞の集金など、嫌な顔をされながらお金を集めるのが仕事である。辛い思いもしたのだろうなと想像した。亡くなったおばあさんに、合掌。

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