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ブラックジャックは何故キリコを認めているのか

 ブラックジャックと言えば、手塚治虫先生の傑作である。主人公は、天才外科医、ブラックジャックである。その対として、末期医療患者や、自殺願望者を、金を取って安楽死させる、Dr.キリコという医者がいる。ブラックジャック(以下BJ)はいつも安楽死を止めようとするのだが(キリコを否定しているのだが)、説得は出来ない。いつしか、僕は、BJがキリコの事を認めているんだと感じる様になった。それが何故なのか解らないので、世話になっているお医者さん二人に質問してみた。

 まず、医者のA先生は、BJを読んだ事はあるけれど、忘れてしまった。と答えられた。そこで、上の様な概略を説明したところ、「BJは、心の中のどこかか、無意識のうちに、安楽死を認めている面があるからじゃないのかな、聞いた話を聞いた限りでは」と応えられた。その上で、「自殺を幇助する様な真似は許し難く、自殺願望の強い人は視野が狭くなっている。その人の視野や思い込みを広げる事で、大概の自殺は抑えられる」とも、おっしゃっていた。

 後日、医者のB先生に質問したところ、読んでないという事で、同じく、説明をしてから質問をしたのだが、その先生は、『医者』とは何なのか?という根源論に行き着く話だとおっしゃった。それから、まじめな会話が十分程度続いたのだが、極端な例として、患者や遺族の要望を聞かずに、心臓が動いている限り、患者が苦しもうが、何だろうが、一分一秒でも長生きさせるという医師も眼にしてきたらしい。その対にあたるのが、安楽死である。結局、『生とは何か、死とは何か』というところに突き当たり、医者それぞれの価値観の違いによって、変わってしまうという事をおっしゃっていた。がんの末期の患者や、どうしようもないお年寄りに関して、『消極的安楽死』を陰ながら認めている風潮もあるという。

 大枠では人間の死というのは、人間の尊厳と結びついている気がする。私も私の故父も母親も、延命治療は望まないという意見で一致している。その代わり、親父の死に際に、母が、「苦しまない様にさせてあげて下さい」と言った。親父は、酸素マスクを外してくれた看護士さんに、最後に、「ありがとう」と言って、散った。私からすれば、『延命治療』も『安楽死』も大差はないと感じる。

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