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独り旅の魅力

 登山家に、「何で山に登るんだ?」と聞いたら、「そこに山があるからだ」と応える様に、旅人に、「何で旅に出るのだ?」と聞いたら、「冒険が待っているからだ」と応えるだろう。少なくとも私はそうだし、異文化との触れあいに、とてつもなく好奇心をかき立てられる。

 日本での旅でもそうなのだが、私は独り旅を好む。自分の気ままな性格に合っているのだ。気に入った場所があったら、予定を変更してでも、そこに居座る。老若男女、国籍問わず、魅力のある人に会ったら、邪魔にならない限り、何時間でも話し込む。

 私が生まれて初めての海外旅行は、23歳と遅めで、しかもアメリカだった。アメリカに骨を埋める覚悟で飛び立った。結果、文化的な面白みはなかったが、いくつかの目標(地平線を観る。大西洋を観る。サバイバルを生き残る。カルチャーショックを受ける)は達成された。ただ一つ、カルチャーショックだけは受けなかったが。

 私は恋の悩みから、悪循環の無限ルーチンに、二十歳の頃にかかってしまい、神経がズタズタになった。大学二年の秋から、自律神経失調症の薬を飲んでいた。しかし、それで行動が束縛されるのは嫌だった。目標の中のサバイバルというのは、それでもアメリカ横断をやってみせるという意思表示でもあった。後は、普段、自宅にいる私が、独り暮らしをしても平気な根拠を見つけたかった。当時、アメリカからの帰国子女であった友人(現在も親友)に旅の写真と思い出を語りながら飲んでいたら、「お前はもう、アメリカを見尽くしている。後は老後にフロリダにでも行ったらいいよ。それにしても、お前は一体何者なんだ」と語ってくれた言葉が忘れられない。アメリカ人に認められるより嬉しかった。何度も危ない目にあったが、避けてこられたのは、目標意識が高かったからだと思う。自分に負けるのが嫌だったのだ。

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