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秀行先生の死を知って

 恥ずかしながら、昨日の教育テレビのETV特集『迷走・碁打ち藤沢秀行という生き方』という番組のTV欄を観るまで、私は、藤沢秀行名誉棋聖の死を知らなかった。というよりも、生命力の塊のような、怪物のような方だったので、最初は信じられなかった。 今年の五月八日に肺炎で亡くなったそうだが、巨大な星が消えたという哀しみばかりが溢れる。「そんなことを考えては駄目だ」と秀行先生に、しかられそうだが、父を亡くした時ぐらいの衝撃を受けた。『あの人はもういない』という気持ち程、辛い感情もないものだ。

 僕はロクに碁を知らないが、先生についての多くの書は読んできた。主にその生き様の凄まじさを語る本が多かった。酒・女・博打、二度のがんを乗り超えての66歳でのタイトル獲得、後輩に対しての面倒見の良さ、囲碁に対する真摯な姿勢、数え切れないほどのエピソードが、今、私の頭の中で回転している。

 亡き父が、がんで入退院を繰り返していた時、会社の部下の方もがんで入院していた。父も、部下の方も、気が滅入る様な人ではなかった。部下の方は、仕事で一番信頼していた方で、父が唯一、保証人になった方でもある。この方は、骨のがんで、父より早く亡くなったのだが、存命中には、病院で父の姿を見つけると、走ってやってくる方だったらしい。父はその方に、「藤沢秀行の本を読め」とよく言っていたらしい。秀行先生は、がんを煩った方々にも『喝』を入れてくださり、希望を与えてくれた。

 秀行先生のご冥福を、遅ればせながら祈る。

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