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『es(エス)』について

 イラク戦争は様々な問題を引き起こしたが、捕虜収容所での虐待について、今日は論じたい。捕虜となったイラク兵に、人間の尊厳を感じさせない程の、残酷なまでの虐待の映像をニュースで見たとき、私は『やっぱりな』と思った。単に敵兵だから憎い、というだけでは片付かない問題を、この事件は内包している。

 『es(エス)』という概念がある。Wikipediaによると、心理学・精神分析学の用語で、「無意識層の中心の機能」という概念を意味する語、とある。また、こうも書かれている。Esエス)は無意識において、無意識的防衛を除いた感情、欲求、衝動が詰まっている部分である、と。日本では、ミスチルの歌のタイトルになったりしたが、私は、2002年に公開されたドイツ映画の『es』について述べたい。

 元々はスタンフォード大学がやった監獄実験についての映画化である。無作為に二十人位を実験のモニターとして公募し、それらを看守側と捕虜側に半分ずつ分ける。捕虜側は看守の言うことに、絶対に従わなければならない。また、主人公は捕虜側に分配されている。元々、何でもない、普通の人格を持った人間の集まりであったのだが、次第に看守側がサディスティックになって行く。冗談だと思っていた、捕虜側のグループに対し、看守側は本当に偉い気分になってきて、虐待がエスカレートしてゆく。主人公は、特別に虐待される。映画では、主人公達が逃げ出し、怒った看守側との間で殺人事件まで起こる。そして、何とも後味の悪いエンディングで幕を閉じる。…ちなみにこの実験は現在では国際的に禁止されている。しかし、実験では禁止されていても、戦場では虐待が行われているだろう事は、容易に想像がつく。

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