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楽しかった親父との二人暮らし

 私の親父は去年の八月の盆の時期にがんで他界したが、その前の年に、母が病院での検査中に右足を複雑骨折し、半月ほど入院したが為に、親父との半月間の二人暮らしをした。私にとっては、貴重な思い出である。クレイマークレイマーみたいだった。

 事の発端は、親父と私で酒屋に酒を買いに車で出かけていた帰りに、母を迎えに行こうと話し、携帯に電話したら、母が「骨折しちゃったよ」と言ったので、二人して顔を見合わせ、病院に急行し、母の緊急手術に立ち会った次第である。手術を待っている間、心配しながらも、二人して、「今日の晩飯どうしよう」などという話をしていた。幸い手術は成功し、私と親父は、回転寿司屋でとりあえず晩飯を食べた。その後、スーパーに行き当面の食事として、お総菜を購入した。

 それから毎日、母の見舞いに交代で行っては、簡単に作れる料理のレシピをノートに書いてもらっては、二人して自炊した。当時の私は深夜にblogを書いていたので、朝のゴミ捨てだけは、親父にしてもらった。他は二人で家事をこなしながら、暇なときには将棋を指したりしていた。そんな親父が、食事の最中に、ボソッと「母さんやさしいから、おらへんとさみしいな」と漏らしていた。その頃の親父は、がんの放射線治療の後遺症で、おじやを食べるために、ポンプ式の麻酔が手放せなかった。辛かったと思うが、弱音を吐く様な人ではなかった。

 今、私は泣きながら打っている。皮肉にもそれが親父との最後で最高の思い出になってしまったからだ。哀しい。

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