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こんぴらふねふね その4

 教えてもらったキャンプ場へと向かうべく、僕は車を走らせた。途中、ダム湖の横を通るのは気味が悪かった。夜中のダムというのは、私はかなり苦手なのである。それでも奥に進んだ。すると、駐車場らしきものを見つけた。キャンプ場に着いたのだ。車を停めて、周りを伺っても、何の気配もない。気味悪かった。

 しばらく行くと、小川があった。せめて一匹でもホタルを観てみたいという望みは、かき消された。なにしろ真っ暗なのである。小川に架かる橋から、ホタルを探し、観てみてもいない。がっくりとしたのだが、しばらく、ぼんやりと小川の石を観ていたら、ほんのりだが、微妙な周期で明滅している光があった。私はホタルの幼虫が、わずかな光を放っているのかと感じ入った。友人への証拠として、写真も撮ったが、現像してみると真っ黒だった。それくらい、微妙な光であったのである。ホタルの繊細さを感じた。

 真っ暗闇の中で、空を見上げた。信じられないほど美しい星空が僕を迎えてくれた。『これほどの星空、いつ以来だろう』と考えながら、ただただ見とれた。夜の人気のない山中で、口をあんぐり開けて、星空に見入っていた。たとえ自殺の名所だろうが何だろうか、美しいものは美しい。信仰心があったから、怖くもなかった。

 そのまま道の駅に戻り、一泊するのだが、ミッションを与えた友人に電話を入れた。そして、状況説明をしたら、「そこで間違いないだろう」と語っていた。私の四国紀行は、まだまだ続くのだが、とりあえず、香川県の話で一区切りを付ける。まるで、『こんぴらふねふね』の様に、終わらない、風任せな旅であった。

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