« BILLIE JEAN | トップページ | モッツオレーラチーズとトマトと私 »

エキストラ

 一昨日の土曜日、新藤兼人監督の、『石内尋常高等小学校・花は散れども』を、母と二人して、DVDで観た。数ヶ月前にAMAZONで注文したのだが、初めて聞く監督だった。では何故、わざわざ取り寄せてまで観たのかというと、私の母方の従弟(まだ中学一年生)が、子役のエキストラとして出ていたからである。戦前の小学校のクラスの生徒の一人として出ていた。戦前ということもあり、男子はみんな坊主頭で、最初は誰だか解らなかったが、運良く顔が映っていた。それを観たいが為にわざわざ購入したのである。エンディングのテロップにも名前が載っていた。その他、映画自体も面白く、楽しませてもらった。

 さて、この映画、何故かつかみ所のない映画なのである。主人公は柄本明で、いい味を出している。この、『先生』を中心にストーリーが動く。舞台は戦前から戦後にかけての、広島県の田舎の農村。戦前と言っても昭和初期の頃だと思う。その頃の時代背景と、厳しいけれど、ユーモラスな『先生』と生徒達の触れあいが描かれている。・・・そこからシーンは一気に三十年後に飛ぶ。『先生』の定年を祝う会が、同窓会として行われ、みんながみんな、自己紹介がてらに、戦争で苦労した話を次々と話す。この辺りから、主人公が微妙に変わる。級長をやっていたという設定で、30年後の役を演じる豊川悦司と、戦前の小学校の時代に、お互いに恋心を抱いていたという設定で、30年後の役を演じる大竹しのぶとの二人のドラマになって行く。『先生』に何かある度に、豊川悦司が東京から駆けつけるのだが、その際に大竹しのぶとの関係も流転してゆく。『先生』に級長だった頃、「君は頭はいいが、決断力と勇気が欠けておる」と諭された豊川悦司は、それを吹っ切り、30年越しの恋を実らせようとしたが、大竹しのぶが厳しくも断る。何故、断ったのかについて考えてみたが、やっと売れ始めた脚本家という設定の豊川悦司を、自分のところで埋もらせたくはない、という辛い愛情だったのだろうなと推察する。そして、『先生』の死で幕が下りる。

 この映画、いろんな味わい方があるが、僕はどうしても『先生』の人柄に惹かれてしまう。風流で粋な先生だからこそ、映画全体が暗くならず、明るいままに終わる気がした。

|

« BILLIE JEAN | トップページ | モッツオレーラチーズとトマトと私 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521582/54006847

この記事へのトラックバック一覧です: エキストラ:

« BILLIE JEAN | トップページ | モッツオレーラチーズとトマトと私 »