« 右脳と左脳 | トップページ | 風邪は治ったけれど »

不思議なメモ魔

 二次会で言った店の場所はもう覚えていない。店に入ると、外人のバーテンが二人いた。客は僕ら以外に、男一人女一人、あと外人一人だった。いずれも深い関係ではなさそうだったので、気軽に話しかけた。すると、カラオケで英語の歌を歌いまくっていた奴が、僕に近寄り、名前を聞いてきたので応えた。彼はメモしていた。

 最初、僕はこの男のことを従業員だと思っていた。そして、知り合った外人と、カウンターでホテカルについて話していた。「あそこで出てくる歌詞の『beast』は、最初聞いたときは熊か何かだと思ったけれど、違う、上手く言えないけれど、実はもっと深いんだ」という話をしていた。左隣の外人は一人で来ていて、話題にも乗れず、寂しそうだったので、こういう話を振った。「昔友人の結婚式の二次会で、音楽担当の時、危うくstonesの『satisfuction(満足)』をかけそうになったよ」と話したら、笑ってくれたので、僕は、「あれ歌詞をよく聴いたら『I can’t get no satisfuction(納得がいかない)』なんんだよね」と言ったら、その人は『satisfuction』をカラオケで歌ってくれた。そうこうしていると、私の名前をメモした奴が話を振ってきた。「おれは従業員やない。客なんやで」と聞いてびっくりした。「じゃあ、何でメモなんか取ったんだ?」と聞くと、彼は、「そこが自分と他の奴との違いなんや」と誇らしげに語った。

 今度はそいつと哲学的な会話することになったのだが、ひょんな事から、「俳句のわびとかさびとかの本当の意味をわかっとらへんやろ」と聞いてきたので、「じゃあ、わび、さび、きわみ等は、どういう意味なんだ?」と尋ねた。すると彼は、「ええか、『わび』ちゅうのはお詫びのことなんや、『さび』ちゅうのは寂しいのさびなんや」と解説してくれた。『きわみ』についての返答はなかったが、かまわず僕は、「へぇ~凄いな。俺は『わび』っていうのは、侘しさから来ているんだと思っていたよ」とフォローすると、他のネタも披露してくれて、「わし、みんなから坊主って言われてんやで」と誇らしげに、自分の物知りぶりを語った。話していると面白い奴だったが、話に深みがなかった。でも面白い出会いだった。まもなく店が閉店になり、タクシーで帰ったが、この自称『坊主』、忘れられない。

|

« 右脳と左脳 | トップページ | 風邪は治ったけれど »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521582/54006776

この記事へのトラックバック一覧です: 不思議なメモ魔:

« 右脳と左脳 | トップページ | 風邪は治ったけれど »