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陳さんの宝物

 台北の駅の南の繁華街をちょっと行ったところに華華大飯店というホテルがある。英語で言うとフラワーホテルだ。ここの服務台をしているのが陳さんである。服務台というのはフロントの何でも屋さんみたいなもので、客をもてなしたり、掃除までもやる係だ。フロントのロビーの傍らに陳さんの机があって、物で溢れかえっている。さながら陳さんのお城という感じだ。暇があると僕は陳さんと話をしていた。もう71歳なのに、僕よりたくましい腕をしておられた。僕が外で煙草を吸っていると、陳さんは缶ビールをくれたりと、粋なところもあった。

 ある晩、夕食を済ませた後に、フロントに日本語を話せる女性が二人いた。暇そうだったので、日本に来たときの思い出などを聞いていたが、陳さんについても聞いてみた。すると、二人は口をそろえて、「陳さんがこのホテルの看板です」と言った。後日、陳さんにこのことを話すと、テレてらしたが、嬉しそうだった。このホテルの宿泊率は日本人が50%以上を占めるのだが、陳さんを見ると挨拶をしている人が多かった。とにかく親切な方なのである。

 そんな陳さんが今、読んでいるという雑誌を見せてくれた。宝石の本だった。そして、自分の持っている宝石類を僕に見せてくれた。真珠のネックレス以外は全て、翡翠やエメラルドなどの緑色をしたものだった。どうやら陳さんは、緑色が好きみたいであった。陳さんの宝物を僕に見せてくれたのも嬉しかったが、陳さんが翡翠の指輪をはめたりしていることがこの上なくかわいらしかった。そんな陳さんから、日本地図を送ってほしいという依頼を受けている。疲れも大分とれたし、腰痛も治った。雪がやんだら本屋にでも行ってこようかな。

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