« 蜜柑と魔法の鍋 | トップページ | AKARI »

歯医者の憂鬱

 私は、幼少時代に、歯医者で悲劇的な苦痛を何度も味わい、ドリルの音さえ聞いているだけで鳥肌が立つようになった。あの音が鳴り響くたびに、激痛を味わう恐怖にとらわれるのである。これはガキの時に通っていた歯医者が無茶苦茶だったせいもある。麻酔なしでドリルを回し、ガキの私は泣き叫んだ。当然その歯医者はつぶれた。今思えばひどい治療法だったとも思う。

 そんな私が、十年ぶりぐらいに、治療目的で歯医者に行ってきた。そこの歯医者さんは痛みなど全く感じさせないのだが、久方ぶりでガキの頃のトラウマがよみがえった。でも、いい年して逃げるわけにはいかない。入念な歯磨きの後に向かった。

 早く行きすぎたので、読書をしていた。名前を呼ばれると、背筋がゾクリとしたが、診察台に小型の液晶ディスプレイで、世界各国の自然風景を映していたのには驚いた。もはや、歯医者も癒し系に突入する時代になったかと感心した。

 治療では虫歯はなし、いい状態だと言われた。これはうれしかった。歯磨きが楽しくなったせいであろうか。今回は銀歯と歯茎の間に開いた穴を処置してもらったが、一瞬で埋まった。もう一度、検診で行く予定だが、今度は楽しみである。嫌いだったものが好きになる。人間の心とは不思議なものだということに気付かされる。

|

« 蜜柑と魔法の鍋 | トップページ | AKARI »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521582/54006689

この記事へのトラックバック一覧です: 歯医者の憂鬱:

« 蜜柑と魔法の鍋 | トップページ | AKARI »