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帰国子女が背負うもの

 私が高校時代に通っていた数学塾で、帰国子女の人がいた。男子校の先輩でもあったが、文系志望なのに、その優秀さから、理系のハイクラスに入っていた。塾の親分の先生も眼にかけていて、モテるし、デキるし、言うことなしと言っていた。実際、思いやりのある先輩だったし、平気な顔で東大に行った。

 あるクリスマス・イブのミーティングの時、父母面談があった。私は両親を泣かせるんだろうと落ち込んでいた。いつも怒られてばっかりだったからだ。しかし、親父とお袋は元気な顔で帰ってきた。かなり意外な誤算だった。寧ろ私を評価してくれていたと言うのだ。

 私には、ある帰国子女の、相当優秀な親友がいる。今回の新年会では会えなかったけれど、リスペクトしている。そんな彼と、一度だけ、『自分の根を下ろす場所』について語ったことがある。彼曰く、「アメリカに行ったら、俺は中途半端な日本人で、日本に来たら中途半端なアメリカ人なんだ」と悔しそうに言っていた。

 クリスマスのミーティングの時には、ボロクソに言われている人もいたらしい。師匠は歯に衣きせぬ人なのだ。だから、「あんたみたいなのに医者になってもらっては困る」とも言っていたし、一方で、金さえ積めれば医学部に入れてやる、というようなコネの広い方であった。

 師匠も懐かしいが、帰り道で、故親父がボソッと母親に「帰国子女にもいろいろあるんやで」と呟いたらしい。これは文化の問題だと、現在の私は考えている。

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