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友情Ⅱ

 先程、携帯電話が鳴った。幼い頃からの親友で、父の仏前参りに来てくれると言う。暮れの忙しい時季に恐縮する。この友人は、三十で彼が結婚するまで、しょっちゅう私の部屋に来てくれた。ビールを飲みながら、そこはかとない話を語っていた。

 この友人は二十歳の頃に、「俺は一生結婚しない」と言っていたが、見事に裏切られた。しかも、友人代表のスピーチまで任された。この時は寝ないで考えたのが懐かしい。今は一男一女のお子さんに恵まれている。「おまえもなんとかしろよ」という声も聞こえてくるが、友人のお子さんが、無事産まれたことが、ただ嬉しい。

 他の友人からも、「そろそろ結婚したらどうだ」とか「結婚も悪くないぞ」と聞かされる。大学四年の時、友人の妹を紹介されたこともあった。そういうことは何度かあったが、「我未未熟也(私はまだ未熟者です)」と言って断ってきた。本当にそう考えていたのだし、今でもそうなのだ。こういう馬鹿者は、はっきり言ってどうしようもない。

 『たそがれ清兵衛』の告白のシーンを思い出す。不器用な清兵衛が、死地に赴く際に、幼馴染みのおなごに、気持ちを打ち明けるシーンだ。男とはああいう物である。好きなことを素直に好きというのも素晴らしいが、後ろめたさの中に黙っている恋もある。そんなこんなで、残された者に、悔いだけは残してはいけないと思うのだが。

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