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子孫のためにこそ美田を買わず

 確か伊丹十三氏の映画で『お葬式』というものがあったはずだ。普段は何気なく過ごしている人々が、葬式一つでバタバタする。僕はこの映画は縁起が悪い気がして観てはいないのだが、実際の人間模様というのは複雑である。幸い、私の家は現在、貧乏なので大して事なきを得たが、お金持ちの人は大変だろうなと思う。

 まず誰かを亡くす→慌てて葬儀屋さんに電話する→通夜・告別式→骨になる→残された者達はその後、名義変更などでバタバタして忙しい→遺産相続という手順である。我が家は親父が他界してから、一ヶ月ぐらいで少しは収まった。焼香してくださる方々もいて、大変、勇気づけられたし、ありがたかった。

 昔から感じてはいたが、親父は『子孫のためにこそ美田を買わず』というような人だった。一代でどれだけ莫大な富を築いても、所詮、お金は天下の回り物。二代三代と続くうちに、必ず無くなる仕組みになっている。本人の努力次第である。棚ぼた地主で三代持ったところを見たことがない。本人の汗がなければ必ず滅びる。

 葬式の後で、一番、故人のことを傷つけるのは、子孫の相続争いだろう。これほど見にくいものもない。お袋が、遺品として親父の車(たいした物ではない)をくれると言ったときも、僕は断った。その代わり、親父名義にしてくれとだけは頼んだ。名義は廃車にしない限り大丈夫だそうである。親父の唯一の道楽が車だったのだ。

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