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父の思い

 父が他界してから、私は形見分けに財布をもらった。もちろんお金は入ってはいない。自分の財布も相当ヘタれていたので、買い換えたいと思っていた所である。しかしながら、父の財布も結構ヘタれていた。私事だが、財布くらいはいい物を使いたい。

 私はいつも、診察券などのカード類を入れすぎて、財布をヘタれさせてしまっていた。よく父が、「いらない物は捨ててまえ」と言って、「それが掃除の基本や」と言っていた。私も、まず、いらない物を廃棄するのだが、捨てても財布にはカード類が多く残る。

 札束入れと小銭入れが一緒の方が私の好みだったが、父の財布は別々の物だった。ポケットに様々な物を入れる私としては、小銭入れが見付からず、しんどい思いをしたこともある。要は慣れなのかも知れない。親父が「ポケット整理せえ」と言っている気がする。

 昔、母が当てた宝くじ(一万円)の一部である千円を、父と私と弟にくれた。それが父の財布に入っているのを観て、お袋は驚いていた。私も持っているし、祖母から頂いた一万円札も大切にしまってある。そうして、父の財布は私に引き継がれた。

 数日後、ちょっとした物を、『ここに入れられたらいいのになあ』と考えていた私は、そこの部分を開けてみると、私が旅先で祈祷してもらったお守りが入っていたのだ。お守り一つでも「もうええ」と言うような親父が、私が祈祷していただいたお守りを大切に大切に持っていてくれた。今の私に話す言葉はない。ただ、父は、どんな思いをしてでも生きたかったんだと思う。

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