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初めての授業参観

 初めての授業参観は国語だったと記憶している。小学校の一年生の時のことだ。母親が参観に来ていた。先生の話を聞いていたかどうかは記憶にないが、僕は教科書も開けずに、一人であれこれと空想していた。どの科目の時間もそうだったかは覚えてはいないが、いつも一人で、あれやこれやと空想していた。担任の先生も、別に僕をしかることもなかった。興味のある事については一生懸命聞いたし、そうでないことはぼんやりしていた。先生は、思いやりの深い女の先生だったと記憶しているが、僕が真面目に聞いている時だけ、当てるようにしてくれていた。当時から国語は嫌いだったので、空想の時間にしていたのだろう。母が来ているときぐらい教科書を広げて、授業を聞けばいいのに、そんな機転の利くガキではなかった。まもなく授業参観が終わり、母は帰っていった。

 放課後、気の合う友達と一緒に家路についた。色んな事を話しながら、後で遊ぶ約束をして、別れた。「ただいま」と言って帰宅しても、返事がない。『どうしたんだろう』と思って部屋に入ると、母が泣いていた。僕が理由を尋ねても黙っている。やむなく、庭で日なたぼっこしながら本を読んでいる親父に聞くと「授業参観でがっかりしたみたいだぞ」と言われた。それでも当時の僕には理由が分からなかったので、母に「授業参観で何かあったの?」と尋ねた。すると母は、「あんたが授業中に教科書も開けてないのを見て悲しいんだよ」と言った。間抜けな話だが、悪気があってやったわけではなかったので、そう言われるまで気が付かなかった。僕はバツの悪い思いをしながら、「ごめんなさい」と謝った。

 それからは授業中に空想するのをやめた。教科書を開いて真面目に授業を聞くようにした。子供心に母を泣かせた自分が許せなかった。・・・今となっては、懐かしい思い出である。

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