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中村屋のおばあちゃん その1

 「中村屋のおばあちゃん」と言っても、有名な中村屋とは関係がない。多分名字が中村というのだろう。僕が小学生の頃の近所のお店のおばあちゃんで、思いやりのある方だった。今は店もなくなってしまったし、おばあちゃんがご存命かも解らない。

 当時の店の前には、ガチャガチャや、いろんな子供向けのゲームが置いてあった。インベーダーゲームもあったと思う。僕と弟は、よくお遣いに行って、ついでに、ガチャガチャをやったりしていた。ただし、親父との約束で、インベーダーゲームには手を出さないということになっていた。僕達兄弟はそれを守っていた。

 今でも思い出すのだが、母から麦茶を一袋買ってきて」と言われ、お店に行くと、おばあちゃんがいた。お金を払っての家路の途中、(雨の日だったのだが)何を考えたか僕は、麦茶のパックを、傘の上に乗せてみてしまった・・・まもなく落っこちて、袋の中の麦茶がはじける。・・・僕には母の怒る顔が想像できて、しばらく止まっていた。そして、おばあちゃんに相談しようと思って、残りの麦茶の袋を持っていった。・・・すると、おばあちゃんは、「それは私達が飲むから、新しいのを持って行きなさい」と言って、笑って新しいのをくれた。・・・僕は自分が情けなかった。そんなつもりではなかったのに・・・御好意に甘えて、今度は大事に大事に、家に持って帰った。何か嘘をついたみたいな気持ちで辛かった。

 今、会えるなら、本当のことを言って、肩でも揉んであげたいのだが、生きておられるかさえ解らないのが辛い。

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