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「運慶」のいる風景

 運慶とは鎌倉時代の仏師である。京都、奈良、鎌倉、その他、全国各地に師の仏像はある。有名なのは東大寺南大門の「阿吽」の仁王像の寄せ木造りや、三十三間堂の木造群であるが、私が旅で訪れた寺の中に、いくつもの師の彫刻が眠っていた。私は発見する度に、息を呑み、深い感動に包まれた。平安時代までの仏像に比べて、はっきり言って、『別格』なのである。歌舞伎のカタみたいに、師の仏像にはインパクトがあり、それまでの無機的な仏像とは異なり、全体のバランスも表情も異なり、見ている人を虜にする。鎌倉彫などというのも、そんなとこから出てきたのかも知れない。

 仏像を見るのが好きな私も、よくぞ、あの時代に、不世出の天才仏師が出てきたと思う。何を参考にしたかは解らない。それくらい、それまでの既成概念と異なるのである。・・・去年、遠野を旅したときに、円空という仏師の仏像が七体有り、円空信仰が盛んな地だと聞いた。私は一体でも見たいと探した末に、その時期には見られないことを聞いてがっかりした。円空仏師は梅原猛氏の話によると、元々、木の中にある仏像を掘り出しただけのような仏師との話で、ユニークな仏像が多い。・・・私は、運慶も間違いなくその境地にいたと考える。でなければ、あれ程の仏像革命を起こせるはずがない。しかも仕事の手も早い。じゃなければ、あれほどの数は残せない。跡継ぎを息子ではなく、弟子の快慶にしたところも職人らしい。

 私が知りたいのは、運慶の思想である。探してみればあるかも知れないが、仏教に対してどのような思想を持って彫っていたのかを知りたい。仏師と坊主の違い・・・難しいところでもある。

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