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アイスホッケー その9

 わずかな眠りの後、自室に戻った。時間だったので、みんなを起こした。仲良くしてた奴などは、夕べ抱きついちゃったよ」と笑う。いいから来いと言って上段の間に連れて行った。

 そこでは、締めの会が催されていた。僕はそいつと足を伸ばしてぼんやり座っていた。眩しすぎる日光を遮るように、人影が映った。眼が合った。笑っていた。『あの娘』だった。追いかけようか一瞬ひるんだ。相棒は寝ている。

 部屋に戻り、布団と荷物を整え、移動して、フロントの前の席に座った。灰皿があったので。僕は煙草をふかしながら、相棒と盛り上がっていた。・・・段々人混みが増えてくる。気にせずに相棒と話していた。すると、やけにうるさい女の声が耳につく。何だ?」と思ったら『その娘』だった。彼女はわざと騒がしくしていた。僕のちょうど目の前で、女友達と上品に騒いでいた。・・・僕は見とれた。相棒が何を言っても、そうか」で通した。

 相棒がそろそろ行こう」と言っても僕は見とれていた。と、いうより立てなかった。彼女の頬は紅がかっていて、僕も本気で受け止めた。・・・しがらみの中で、どうすればよかったのだろう?まもなく送迎バスが来て、彼女は僕の前を通って立ち去った。流し目のまま。

 そうして僕達は、お互いの空間を消し、時間が経つ中ですれ違っていった。

僕は、今でも時々、君のことを思い出すことがあるよ。

淡く儚い思い出としてね。

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