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アイスホッケーその6

 パックは前にある!リバウンドだ!絶対相手に取られちゃいけない。足がどう動いたかは解らない。ただ、跳んだのは事実である(相手のスティックが邪魔だったから)。その後、『自分で決める』という炎が燃え上がっていた中、動かない足で、咄嗟に片手でドリブルした。結果的にそれは、身方へのパスとなったのだが、その時も鬼の目をしていた。

 緊迫したゲームの中、僕は自分の体が壊れることを覚悟した。あの責任を取れるなら、一生、不便な思いをしてもいいと思った。腰を叩きながら滑った。『ぶっこわれてもいい』とも思った・・・ガキのくせに生意気だろうが、自分が許せなかったし、何より悔しかったのだ。

 ・・・守られる中でピリオドが鳴る。僕は初めて腰をおこし、マスクを取り、並んだ。並んでいる時、肩で息をしているのは僕だけだった。視線は下だったが、顔は意地で上を向いた。

 休憩席でも、僕は死んでいた。僕のせいで負けたという気持ちが捨てられなかった。ただ、黙っていたが、ポソリと「勝ちたかったよな・・・」という奴がいて、僕は耐えきれなくなった。外の誰もいない所で泣きたくなったのだ。先輩に行かせてください」と言っても許してもらえなかった。この理由はよく解らないのだが、説得された。

 コートぐるみで肩を落としている僕に、高校時代の友人が手を貸してくれた。・・・そして、うちの体育会と地元の高校の試合を見ていた。先輩はDFだったが一度もベンチに戻ってこなかった。監督から「大丈夫か」と声が掛かっても「大丈夫です」と言っていた。大丈夫なわけないだろ。・・・先輩は私に、先輩なりの意地を見せてくれたのだ。

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