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名人に香車を引いた男

 「名人に香車を引いた男」というのは、言わずもがな、故升田幸三氏の自伝である。昭和55年の初版が、古本屋で当時と同じ値段だったので、その価値も解る。私がブックカバーをしている数少ない本の一つだ。自伝の中では色々と述べられているが、私が特別に感銘を受けたことと、氏の生い立ちを軽く書こうかとも思う。もちろん将棋の中身は私には解らない。

 升田幸三氏は数えの十五歳で、大志を抱き、家出をする。その後アルバイトなどをしながら、五ヶ月後に木見門下の弟子となる。兄弟子に大野五段(当時)弟弟子に大山康晴氏がいる。そんな中で二度、戦争に行ったり、波瀾万丈の中、戦後、少年時代に抱いた夢「名人に香車を引いて勝つ」を実現する。

 この著書の中で、私が注目したのは、弟子だった頃に、丁稚で豆腐を買いにいったはいいものの、途中で足を滑らして転んでしまい、豆腐もおじゃんになったときのことだ。女将さんから「使いっ走りもようできんで、何が将棋や」と言われ、升田氏自身「確かに将棋のことばかり考えていた俺が甘かった」と反省する点だ。その後、「何するにも集中を持て」と自分自身を戒める。本ではこの後に重要なことが書かれているのだが、それは、「心を集中する習慣が出来ると、いっぺんに二つの仕事が出来る」というところだ。私も実験してみたが、ここのメカニズムはいずれ説明する。この本の中でも何気なく書かれている一節だが、物事の極意の一つである。・・・現在の羽生善治氏は、もし対局できるなら、升田幸三氏と語っている。

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