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台湾紀行(その7)

 高雄(カオシュン)は台湾南部の港町である。私はそこから反時計回りに鉄道で回り、東海岸の花蓮(ファーレン)に向かうべく前日に切符を購入しておいた。途中で乗り継ぎがあり、そこで二時間くらい待つ予定。朝の8:00頃に出たら、夕方16:00頃には着く予定だった。切符も買えたし、ということで安心して眠りについたのだが、あろう事か、翌日、汽車が発車する時間に目覚めてしまったのである。手っ取り早く荷物をまとめた私は、フロントでキーだけ渡し、速攻で駅に向かった。幸い、泊まっていたホテルが駅前なので、それほど走りはしなかったが。

 駅に着くと、日本でいう、緑の窓口みたいなところに駆け込んだ。私は乗り遅れた電車の切符と、乗り継いだ後の切符とを見せた。私はどんなことを言ったり、書いたりしたのかは、全然覚えてない。乗り遅れた電車の切符は無効になっても仕方がないが、次の列車に間に合う様にしてもらいたかった筈だ。すると、駅長さんは、私の切符にボールペンで何やら書き込み、最後に駅長印を押してくれた。つまり、切符は無効にならずに次発の列車で使ってもいいとのこと。日本ではあり得ないことだ。驚きを隠せないまま、お礼を言うと、ホームで次の列車を待った。幸い、途中での乗り継ぎが二時間かかる予定だったため、何とか二枚目の切符は無事に使える計算であった。

 『無茶なスケジュールのせいもあるけれど、なんだか今回の旅は、寝てばかりだな』、などと反省しながら、次発の列車に乗り込み、指定席に一応行ってみたが、そこにはやはり正式な切符を持っている方がいた。三時間余り立っているのはきつい。私は駅長手書きの切符を見せ、荷物を網棚に載っけてもいいかと聞くと、未だ学生であろう女性は快諾してくれた。それからは何することなく、景色を眺め、到着するまで時間が過ぎるのを待った。列車が台湾の東側を北上する際、海岸沿いの車道と並行して走る区間では花が咲き、海の色も綺麗で、しばらく見とれていた。 女性にお礼を言い、列車を乗り継ぐと、後は窓の外ばかりを追いかけ、ゆとりの中で花蓮(ファーレン)に着いた。

 駅に着いて、ガイドブックを広げる。目標の宿は探す手間もなく見付かった。花蓮駅は降りてすぐロータリーがあり、しばらく直進すると大きな噴水があった。それ以外は、店などが幾らかある、こぢんまりした町なのだ。花蓮は太呂閣(タロコ)という見事な渓谷への玄関町なのだ。泊まる宿ではばあさんが熱心に日本の相撲を観ていた。すると、今回の旅で初めて、中国南部を旅して台湾にやってきたという日本人の男子学生に会った。通常授業の時期ではないかとも思ったが、あえて詮索はしなかった。その彼曰く、「おいしいワンタン屋さんがある」とのこと。よく考えると、私はなにも食べていない。ばあさんに翌日の太呂閣のツアーを申し込むと、早速二人で食べに行った。確かにうまいワンタンだったが、口の中を火傷してしまう位、たくさん食べてしまった。

 町に夜の暗がりが訪れ、翌日の朝食用にバナナを購入した私は、彼と二人で民族の伝統的な踊りを見に行った。ステージを囲んで結構な人がいたが、私は余り関心が無く、彼に「ステージ脇の小屋の、展示物を見てくる」と告げて、中の物を眺めたが、いいと思える物はなかった。元の場所に戻ると彼がいない。大慌てで探すも、見渡す限りではいない。十分間くらい探して、宿に戻ってみたがいない。もう一度、行ってみるがいない。仕方なく宿の入り口で待っていたが、後で聞くと、別の場所に行っていたとのこと。一安心だったが、私も含めて、『独りで海外ブラブラする奴はこんなもんだろうな』位に、いつも軽く考えている。

(つづく)

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